農機具が古くなってきたので買い替えをご検討中の方、ご自宅の倉庫に古い農機具が収納されていて場所をとっているという方、古い農機具をどう処分する予定ですか?
もう使わなくなってしまった農機具でも、売れるものはトラクターやコンバイン、田植機といった大型農機具だけだと思っている方は少なくないかもしれません。
実は、トラクターやコンバイン、田植機だけが「買い取り対象農機具」ではないのです。
他にも買い取り可能な農機具はたくさんあります。
農業を離れたので倉庫を一掃したい方、新しい機械を導入したので不要な農機具が出てしまったという方、処分してしまう前に、いちど買い取り可能かどうかをチェックしてみましょう。
思いもよらなかった臨時収入になるかもしれません。
倉庫を一掃!こんな中古農機具も売れるんです
多くの方が、中古農機具というとトラクター・コンバイン(稲刈りと脱穀を行う機械)・田植機の三種の神器を思い浮かべます。
これらの農機具は非常に大きくて場所もとるので、使わなくなったらすぐに売却を考えるのではないでしょうか。
しかしそれ以外の農機具は使わなくなった時点で納屋の奥深くに片付けてしまい、そのまま存在を忘れられることも少なくありません。
近所の人に紹介されたり、セールスマンに勧められたりして購入したものの、我が家のスタイルには合わなかったという機器もあるのではないでしょうか。
あまり場所をとらないものや、活躍の機会が少なかったものなど、「売れる」という意識すらないこともあるものです。
しかし、実は意外な農機具も買い取り対象になり、ちゃんと値段がつくものもたくさんあります。
この機会に倉庫を一掃し、不要な農機具をお小遣いに変えてしまいましょう。
耕うん機・管理機
耕うん機は、土を耕すための機械です。
管理機はさまざまなアタッチメントを付け替えることで、耕うん機のほかにも耕した土地の整地をはじめ、うね立て、培土などの作業を行うことができるものです。
耕うん機と比べ、管理機は歩行型で小ぶりなのですが、うねづくりやマルチ張りなどさまざまな作業が行えるようになっています。
つまり耕うん機で耕した土を、管理するための機械が管理機です。
しかし最近では大型の耕うん機でも、管理機と同じような機能を搭載しているものが一般的になってきています。
耕うん機と管理機の違いは、機能ではなく「大きさ」になってきています。
大型のものが耕うん機、手押しの小型機が管理機と呼ばれます。
大型の耕うん機は広い農地、管理機は家庭菜園やレンタル農地でも大活躍します。
また丈夫で非常に長持ちする機械なので、中古で買いたいという人が多く、買い取りもさかんな商品のひとつです。
また耕うん機に荷台がつけられる「テーラー」タイプもあります。
トレーラー・運搬車
トレーラーとは、トラクターでけん引する荷台部分のことです。
トレーラーを取り付けることで運搬できるようになり、トラクターでコンバインなどの大きな農機具をけん引することもできます。(コンバイントレーラーとも呼ばれます)
さらに最近はコンバインが大型化したため、積み下ろし時に安全なダンプ式も普及しています。
運搬車は、ホイールタイプだけでなく、クローラタイプもあります。
運搬車も運搬用の農機具ですが、小さなものから大きなものまで、手押しタイプから乗用のものまでさまざまな種類があります。
小型のクローラ運搬車は、畑のうねの間やハウス内で稼働させることも可能です。
家庭菜園でも、畑を借りている場合など、肥料や収穫した野菜・果物などを運ぶ場合はとても重くなってしまいます。
その際、クローラ運搬車があれば重い荷物も軽々と運ぶことができます。
もともと「クローラ」とはキャタピラのことなので、安定性抜群で、きれいに整地されていない場所でも動かすことが可能になります。
2019年12月に、トラクターが農作業機をけん引したまま、公道を走ることが許されるようになりました。農業の生産性もぐんとあがりますね。
◆グレンコンテナ
コンバインで刈り取った籾を適正な水分量になるまで乾燥させるための乾燥機まで、田んぼから作業場まで籾を運搬する機械です。
籾摺機・計量機・乾燥器
◆籾摺機(もみすり機)
籾摺機(もみすり機)は、稲を刈り取り、籾の状態にしたコメからもみがらを取り除く機械です。
籾から玄米にする(脱ぷ)ための機械で、もみがらを取り除く方法と、もみがらと玄米を選別する方法とを、組み合わせた機械です。
もみがらを取り除く方法
・ゴムロール式(摩擦式)
・衝撃式・インペラ式
・衝撃式・ジェット式
もみがらと玄米を選別する方法
・万石(まんごく)式
・回転式(ロータリー式)
・揺動式
・空気流式
上記のように、組み合わせによってさまざまな種類の籾摺機が存在します。
さらに玄米に混入している小さな石を抜き取るための、石抜機もあります。
最終的に計量機に接続するのですが、石抜機と計量機の高さを合わせるために、昇降機も必要となります。
昇降機には玄米用・白米用のほか、大豆などの穀物用もあります。
◆計量機
計量機は、選別された玄米の重さを量り、玄米用の米袋に一定量ずつ詰めてゆく機械です。
米袋をしっかり立て、玄米をきれいに詰めた上、未熟米の選別もしやすくなっているタイプもあります。
◆乾燥器
コンバインで刈り取ったばかりの、籾をはじめとする穀物は水分を多く含んでおり、そのままだと品質低下につながります。
そのため籾摺を行う前に、専用の乾燥機で適正な湿度まで乾燥させる必要があります。
高温で急激に乾燥させると品質が低下するため、現在は遠赤外線などを活用し、籾の中心から均等に乾燥させられる乾燥器など籾の品質向上のために工夫されています。
作業機(インプルメント)
細かな作業を行う機械や、アタッチメントなどを作業機と総称しています。
◆畦塗り機
田んぼと田んぼを区切るあぜは、放置しておくと田起こしによるくずれやモグラによる穴開けなどによって、水がもれてしまいます。
水もれを放置しておくと、そこからあぜが崩れてしまうこともあるので、あぜの管理はしっかり行う必要があります。
あぜを修繕して水もれを防止することを畦塗りといい、人力では大変な労力を必要とします。
丈夫で深水管理も可能なあぜを作ってくれるのが、畦塗り機です。
水田耕作には欠かせない作業機のひとつと言えます。
また機械が入りづらい四隅も、リバースタイプで塗り残さずにしっかり畦塗りできる機械もあります。
◆ブロードキャスタ・マニュアスプレッダー
ブロードキャスタとは、肥料を畑へ効率的にばらまくための機械です。
肥料やたい肥をまく作業は、畑や田んぼが広くなればなるほど大変な作業になります。
そんなときに活躍するのがブロードキャスタです。
マニュアスプレッダーは、たい肥をまくための機械です。
◆ロータリー
ロータリーは、耕運機やトラクターの土を耕す部分を指します。
肥料をまいた後にロータリーをかけて土を良く砕くことで、土と肥料をしっかり混ぜることができます。
特に水田と畑作で活躍し、ロータリーで耕した後の土地は平らになります。
◆プラウ
プラウとは、日本語の「すき」を指します。
棒がついている昔ながらの鋤(すき)タイプもあり、円盤タイプもあります。
土壌を天地返しし、深く耕すことができます。
◆ロールベーラー
ロールベーラーとは、牧草や飼料となる作物を円柱状に梱包するための機械です。
昔はサイロに詰めて丁寧に発酵させていた牧草ですが、現在はすべて機械で手軽に行えるようになりました。
牧草の刈り取り・細断・乾燥・反転乾燥・サイレージまで機械で行えます。
◆ウイングハロー・パッカー
ハローやパッカーは、プラウで耕した土地を平らにならすための機械です。
土の塊をくだき、土地を平らにします。
さらに、整地することで畑の土が乾燥することも防ぐ効果があります。
◆移植機
田植機をはじめとする、さまざまな作物の苗を本格的な畑や田んぼに植え替えるための機械です。
特に田植機は日本で開発されたもので、水田栽培の革命と呼ばれています。
ブロッコリーやレタス、枝豆などの野菜苗にも活躍します。
移植機には乗用タイプもあります。
◆播種機(はしゅき・たねまきき)
作物の種類によって、さまざまな種まきを行う機械です。
・点まき機(プランタ)
・すじまき機(ドリル)
・ばらまき機(ブロードキャスタ)
上記3種類に大きく分類されます。
◆防除機
粉状・液状・粒状などさまざまな作物用防除剤を散布するための機械です。
粉・粒状用は動力散布機、液状用は動力噴霧器と呼ばれています。
現役で農業を行っている方は、パッと見て何に使う機械なのか、どんなものなのか判別できるでしょう。
しかし親以前の世代が農業を行っていたけれど、自分の世代は全く行っていないという場合は、機械を見てもどんな名前か、何に使うものかわからないことも少なくありません。
そういった場合は見積もりをしてもらい、どのような機械かも含めて買い取りの相談をしてみましょう。
その他
そのほか、農機具だと思っていなかったものも、農機具として買い取り可能な場合があります。
◆除雪機
豪雪地帯では一家に一台ある場所も少なくない除雪機も、農機具として取り扱いしているケースがあります。
除雪機は手押しで簡単に自宅の駐車場の雪をかけるものから、乗り込んで大々的に自動車道路の雪をかけるものまでさまざまなタイプがあります。
大きなものほど大量の雪をかくことができますが、取り扱いに注意が必要になります。
◆草刈り機・芝刈り機
簡単にあぜ道や庭、のり面などの草を刈ることができる機械です。
草刈りが必要な時期は暑さが大敵です。
効率的に雑草を処理できる草刈り機は、やはり必要不可欠な農機具と言えます。
草刈り機にもさまざまなタイプがあり、広めのあぜ道など比較的安定した場所なら、自走式のものもあります。
◆玄米低温貯蔵庫
玄米は、低温で貯蔵管理することで品質の低下をおさえることができます。
鮮度を保ち、美味しいままの状態で蓄えておくことが可能になるのです。
特に次の新米が出始めるまでは非常に暑い時期も続くため、あるとお米を美味しく保存できる機械です。
◆スピードスプレイヤー(エスエス、S・S)
桃や梨・ブドウ・サクランボなどの果樹栽培で、年5回~10回ほど使用する乗用防除機です。
車輪3輪・4輪・6輪、タンク容量100L、300L、500Lなどで区分され、キャビン仕様のものも普及しています。
◆トレンチャ
ゴボウやニンニク、長イモなどの作付け・収穫に使用します。
作物がまっすぐ伸びるように植え床作りや作付けをし、また収穫時は作物を折らないように掘り取るなどの活躍をします。
◆ビークル
ブロッコリーやレタス、枝豆・大豆などの広範囲圃場の除草や薬剤散布に使用します。
粒状・液状どちらの散布も可能です。
◆フォークリフト
大々的に農業を行っている場合などは、フォークリフトを使用している家も少なくありません。
フォークリフトが農機として買取に出されるケースもあります。
ハイテク化する農機具
農機具は、どんどんハイテク化していきます。
ラジコンヘリで農薬散布が行わることも驚きの進歩でしたが、最近ではドローンで散布を行う企業もあります。
今後はコンバインやトラクターなどの大型農機具をはじめ、無人のロボット運転も行われるようになるだろうと言われています。
衛星誘導の自動システムを導入し、空から農業を管理する時代もすぐそこに来ているのかもしれません。
ハイテク化が本格的に始まり、どんどん小型化が進むと、今眠っている農機具の需要が減ってしまう可能性もあります。
ハイテク化が進む前に、使っていない農機具をチェックしてみましょう。
得するコツは「売れないだろう」と思い込まないこと!
農機具が家に眠っているけれど、場所をとるだけだからどうにかしたい……そんなときに、損をせず得するコツは、「どうせ売れないだろう」と思い込まないことです。
農機具は非常に丈夫に作ってあるものが多く、中古でも十分に需要があるものがたくさんあります。
本格的な農家の農業離れが問題視されている一方で、個人の趣味で農業を行う人が増えているという現状も需要を伸ばす背景と言えるでしょう。
また海外でも日本の農機具は人気があります。
自身が農業に携わっていないと、農機具を見ても何なのか、価値はあるのか、売れるのかさっぱり分かりませんよね。
得するコツは、農機具は処分する前に、売れるかどうか見積もりをしてもらうことです。
倉庫に眠っている農機具は可能性がいっぱい!まずは売れるか無料チェック
倉庫に眠っている農機具は、可能性がたくさん詰まっている可能性があります。
もう何年も使っていないものであっても、ちゃんと動いたり、アタッチメントとして使えるものがまだまだあったりするかもしれません。
買い替えの前、倉庫の整理の前に、まずは自宅にある農機具の見積もりをしてみましょう。